フィトライフのガーデンデザイナーが考える「庭つくりのミニ知識」〜 樹木の種類と選び方 Vol.1 〜
植物の種類は、私達プロから見ても多種多様です。一般的には20万~30万種類と言われています。これにシダやコケ類なども加わります。また、毎年「園芸品種」という人工的に作られた種類が加わっていきますから、この中から最適な樹木を選ぶことは、現実的に不可能です。
しかし、実際の庭では、これらを全て使って植栽されている訳ではありません。多く見積もっても1000種類程度の植物が、「庭木」として取り上げられていると言えます。
実感的には数百といえます。これらは、庭木などの植物図鑑で丁寧に分類されていますから一度図鑑を頭から終わりまでご覧頂ければ幸いです。
庭木とは、一般に比較的管理しやすい植物ともいえます。動物で例えるなら、植物はオオカミからチワワまでいると考えてください。この中で、躾の入らない種類、例えばオオカミは人間と共生することは難しいですし、大変な覚悟がいります。一方、チワワや柴犬などは飼い犬として扱えます。一般に庭に植えられる植物は、こうした人間と共生できる種類になるとお考えください。
では、庭木選びのポイントを簡単にお伝えします
庭木とは長い付き合いになります。気に入らない樹木に毎日水遣りを行うことを想像してみてください。自分が大切にしたい植物を選ぶことが大切です。
選んだ樹木を植える場所、お住まいの地域やその将来の姿(成長スピード)を考慮する必要があります。これには、経験が必要。植える前にプロに相談されることをお勧めします。植物の原産地を知ることも、ご自分でできる樹木植生の特徴を掴むポイントになります。
これもプロと相談されることをお勧めします。特に近隣と近接している場合、配慮が必要です。ネットでも大まかには調べることができるでしょう。
新種や珍しい樹種、大きな樹木、特殊な樹形などの樹木は一般的に高価になります。反対に、小さなもの、生産が容易なモノ、速く成長するもの、安定して生産されている樹木の価格は比較的落ち着いています。値段と大きさを見比べて考慮しましょう。
時代により庭木にも流行があります。現在、流行っているトレンドと樹種を簡単にご紹介します。
アカシデ、アオダモ、アオハダ、コハウチワカエデ、ツリバナ、イタヤカエデ、イヌシデ、ダンコウバイ、アブラチャン、シラキ、クロモジ、ミツバツツジ、オトコヨウゾメ、コナラ、クヌギ、ナツハゼなど自然雑木林を想像させる樹木。柔らかい木漏れ日を想像させる樹木群です。
ジューンベリー、オリーブ、レモン、キーウィ、ミカン、カキ、ビワ、ブルーベリー、キイチゴ、スダチ、ユズ、ザクロ、カリンなどの食べれる実をつける樹木群です昔は「おもてなし」の庭であったため、果実を付けるこれらの庭木は、「庭を汚す」という理由で、裏庭にひっそり植えられていましたが、現在では主役として植えられる傾向にあります。
ネグンドカエデ、スモークツリー、アベリア、メギ、ハクロニシキ、ベニスモモ、ユーカリ、ロシアンオリーブ、ニューサイラン、スカイロケットなどコニファーなど植物の葉の色を愉しむ樹種です。一般的には、寄せ植えなどの草花が多いカラーリーフですが、樹木の中でも葉の色が特徴的なモノを指します。また、各種 白い班のある斑入り植物も人気です。
植栽の施工事例はこちら
投稿日:2016/10/29