門という言葉は、文字のカタチの如く、両開きの2枚の扉を表しています。その意味では「門柱」は正に「両開きの扉とそれを吊る柱」という意味になります。しかしながら、現在の門柱が指し示すところはこれと異なります。
私たちが生活する上で、外構上最低必要なものはなんでしょう?
それは、ネームプレート、インターフォン、ポスト、駐車場となります。この4つがあれば庭はなくとも暮らしていけます。さらに、これらの4つの要素は、道路側に大抵作られます。つまり、ファザードと云われる「家の顔」になります。一番人目につくところです。これらの配置やデザイン、施工内容で家の印象は大きく変わります。
具体的に私たちフィトライフの事例を使いながらみていきます。
家の立地や高低差、アプローチのカタチ、駐車場との関係、また、隣地との関係、電信柱の位置、人の動線など様々な要素を考慮する必要があるため一概に門柱に「定位置」は存在しません。使い勝手、訪問される方への配慮、家とのバランス、防犯などそれ以外にも考慮しなければならないことは多くあります。また、家と道路が4メートル以上ある場合や、オープン外構と言われる門が無い解放的なデザインなどにより、「様々なカタチ」があります。
最も一般的な門柱のカタチとして以下の写真を思い浮かべられるかもしれません。
門があり、塀にポストとインターフォン、ネームが取り付けてあります。
家と道路が近い場合、動線上もこうした位置関係が多いと思います。何気ないことですが、ポイントとして上げるならば、門と玄関ドアが正対していないように作られることが多いです。玄関ドアを開けた時、家の中まで門から見える。子供が一直線に道路に飛び出てしまう。そうした状況を避けるための配慮だとお考えください。確かに、有効な考え方だと思います。
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オープン外構の形態で、アプローチ途中に作るカタチです。道路側に作ると車の出し入れの邪魔になったり、ポストが遠くなりすぎることを考慮して制作しています。家から玄関までのアイポイントとしても役立っています
この門柱はコストダウンのため、門柱の裏に立水栓も付けてある工夫をさせて頂いたタイプです。同程度のコストで二つの機能を両立させています。
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こちらの家では、インターフォンとポストを二つに分けています。お客様の発案で、家の奥まで訪問者が入らないようにする一方、雨の日に郵便物を取りやすいようにという機能性をデザインさせていただいています。玄関までが細長い敷地の場合、有効な考え方ではないかと思います。
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高低差がある場合、ポストなどを道路側に付けるか?家側に付けるか?悩ましい問題です。
道路側にあるパターン。訪問者や配達の方には便利ですが、家の方は階段を降りねばなりません。ご高齢の方にはあまりおススメしません。この施工では、土留めのブロックを利用して門柱としたため下に設置しコストダウンを図っています。
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極端な事例かもしれませんが、こちらはインターフォンは階下にポストは階上に作らして頂きました。
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こちらの施工では、遮蔽のためのウッドフェンスと、オリジナル門柱+ポスト、そしてパーゴラを合わせたオリジナルデザインの門柱です。狭い敷地で遮蔽と一体化させた門柱の新しいパターンだと思います。
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宝塚市のあいあいパークで展示させて頂いているモデルガーデン。そこに2016年型モデルガーデンの新しいご提案として「門塔(ゲートタワー)」を制作させて頂いています。ポストや棚が一体型になったデザインです。家の印象を大きく変える門塔は、今までの外構にない世界観だと思います。機会があればご見学ください。
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門柱は、毎日使うものです。そういう意味では、機能性、動線が最も大切なことだと思います。次に玄関ドアとの関係、安全性などがあります。そして最後に、お好きな材料やテイストに合わせたデザインでお考え頂くのが良いかと思います。
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投稿日:2016/11/25