①庭インフラ編 〜家を建築前の方は是非ご一読を〜

フィトライフのガーデンデザイナーが考える「暮らしのための庭つくり講座」 Vol.1
土は大丈夫?

庭のインフラとはなんでしょうか?ズバリ、土、上水、排水、電気などのことです。庭に必要な基礎的要素を整備すること。それが快適でローコストの庭つくりを実現します。

1.土は大丈夫?

土は大丈夫?

大抵 家を建てられる敷地は、道路に接する方が玄関、隣りに接する方が庭となることが多いと思います。こうした場合、家の建築後 土を搬出・搬入する必要が生じた場合、重機を使えないため余分な費用を費やすことになります。美しい植物の生育には、土は一番大切な要素です。では、土を搬出および搬入しなければならない状況とはどういう場合か代表的な例を見ていきましょう。

1-1.地面が岩盤、および 硬化剤で固められいる。

硬い地面は、家の建築には好都合ですが、樹木の生育には不適です。スコップで掘れないほどの地面の場合、樹木も根を伸ばすことができません。この場合、折角の庭に木が植えれないということになります。客土か削掘が必要になります。

1-2.チガヤやススキなど強い雑草で覆われている。

雑草の中にはなかなか厄介な種類があります。上記以外にもクズやヤブガラシ、スギナ、ドクダミ、ヌスットハギなどいくら表面を駆除しても、根絶できない種類があります。また、長年雑草に覆われている場合、こうした草の根が土壌の表層に層状になっている場合も多く、庭を作った後に、草だらけの庭になる可能性があります。こうした場合、最も一般的な方法は、除草剤などで事前に根絶させ、その後表層の土を入れ替えるという方法が最も合理的な対策として必要となります。

1-3.建築廃材などが大量に混入している。

古い住宅地では多く発生する場合が多いです。以前の建築廃材やコンクリートがそのまま埋められており、少量の場合は構わないともいえますが、その量が多量で植物の植栽に影響を与えると思える場合が該当します。この場合、土の搬出というより廃材の撤去が必要となります。

1-4.土質そのものが悪い。

強固な粘土質の土地の場合、土中の排水が良好に行えず、植物は土中で「根腐れ」という一種の窒息死を起します。植物の根には水が必要であることは皆さんご存知ですが、同様に「酸素」も必要です。酸素が入りにくい土質では植物は良好に生育しません。この場合、盛り土などの客土をする必要が生まれてきます。

では、こうした場合どのように対処するのが最も良いでしょうか?

家の建築では、まず、家の基礎を制作します。家の土台となる部分です。この時、大型の重機を持ち込み、土地を成形します。
このタイミングかその前に庭にすると分かっている部分の土を入れ替えるのがベストだといえます。建築後では殆どの場合、重機が入れません。ただ、建築会社は家を建てるために重機をいれるのであって、庭を作るために重機を使う訳でないことをご理解ください。家の建築を依頼される会社様によくご相談されることをお願いいたします。また、土を掘り返すことは、土を柔らかくすることでもあります。そのため、建築資材の置き場として利用される庭部分の地盤が軟化するデメリットもあります。庭にとってプラスのことは家つくりにはマイナス作用もあります。しかしながら、土を入れかえることで安定した庭つくりを行えることも事実です。

2.水道はどこにある

土は大丈夫?

樹木や花を植えると必ず水遣りが必要です。玄関先にしか水道がない場合、長いホースを庭側まで引っ張らないといけません。毎日の水遣りが「大仕事」となれば、自然、植物への世話も回数が減り、庭の管理を怠る原因ともなります。「水遣りがしやすい環境」を確保することも大切なことです。

また、新たに上水栓を設置することも可能ですが、配管途中にコンクリートの土間などがある場合、コンクリートを崩して再度配管する必要がある場合もあります。さて、では庭のどこに上水栓があればいいのでしょうか?家の建築中に、その場所を特定できれば一番良いのですが、庭のカタチもおぼろげな中、大抵その場所を特定することはできません。では、どうすればよいのか?家建築時に、建築会社の方に庭で水遣りをする旨ご相談され、配管をひとつお願いされ、止水しておけば良いと言えます。その後、庭のカタチや使い方が分かれば、造園会社の方に相談し最適な位置に設置しましょう。

3.大雨の時の庭排水

土は大丈夫?

大雨が降った場合、庭にも大量の水が溢れます。家にはこうした表面水を流す雨水桝が用意されていますが、最近の住宅建築では庭用の雨水桝を設置しない場合が多く見受けられます。つまり、自然排水(自然に任せる)という訳です。これで大丈夫な土地もありますが、ある程度広い土地の場合、庭専用の雨水桝は必須です。これも建築中に建築会社の方と相談され設置することをお勧めします。庭のカタチにより排水升がその後邪魔になる場合もありますが、排水桝があれば、移設することも可能です。

4.電気のスイッチはいりますか?

大抵のお宅には、屋外用コンセントがひとつくらいは、設置されています。これで、屋外での電気使用は大丈夫と考えられる方も多いですが、ガーデンライトや庭照明をつけると場合によっては、屋内でオンオフしたい場合が考えられます。こうした場合、屋内から配線をしなおし、壁に穴を開けという工事になります。よってこれも、ひとつ余分にスイッチを建築時に用意して頂き、配線をひとつ事前に設置されることがおススメします。

投稿日:2016/10/29

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