外構費用で家づくりを失敗しないようにする方法

これから家を建てられる方にご参照頂ければ幸いです。

家の建築計画を終えられたり、また、新築された後、エクステリア(外構)の工事費用を積算する段階になって、その費用の増加に驚かれることは、残念ながら、珍しいことではありません。予算が想定の2倍以上膨らむようなことがよく発生します。そこで、これから家の建築を計画されている方や家を建築中の方にお役に立てればと思い、家とエクステリアの予算の考え方を書かせて頂きます。

①外構工事・エクステリア・庭工事とは何か?

外構工事・エクステリア工事とは

まず、最初に「外構・エクステリア・庭工事とは何か?」について簡単に纏めておきたいと思います。

外構(がいこう)とは、敷地内の家以外の構造物全体を指します。具体的には、フェンス、階段、門柱、駐車場、アプローチ、カーポートなどです。庭は本来含まれません。庭は、庭として独特な世界であります。でも、生垣は外構工事に属します。

従来、「庭制作⇒造園会社」「外構制作⇒外構会社」という風に割ときっぱり分かれていましたが、庭制作の減少に伴い、「外構もする造園会社」「庭も作る外構会社」と両者の垣根はほぼ無くなってきています。そのため、お客様からすれば庭・外構は、同じようなものとなっています。

それでは、なぜ、駐車場やカーポート、門柱など実にありふれたこうした工事が、大きな費用を誤差を生み出すのでしょうか?

②比較的計算できる家の予算、思いもかけない外構(エクステリア)の予算

外構工事が必要なのは、どのような時でしょうか?

当り前ですが、家を新たに建築する場合です。家を新たに建てるには(土地・旧家の解体費)+家の建築費+外構工事費が必要です。外構工事がないと駐車場も、インターフォンも、ポストもない家になるばかりでなく、玄関までも靴が汚れる家になってしまします。

家の新築は、通常、坪単価などで表示され大変分かりやすい価格表示がされています。一方、外構工事のそうした表示はありません。カーポートや物置など単品ではネットで調べることができますが、家の「外構工事の総額」を理解することは出来ません。

③住宅会社に聞いてもわからない「外構予算」

住宅会社の全てではないですが、住宅会社は「住宅=家」を販売することを目的にしています。お客様にとっては「家+外構」=「家」とお考えの方が多いですが、実際は違います。「家の引渡し」が終われば、住宅会社の仕事は終了します。外構も含めて「家」に取り組む住宅会社も近年増えてきましたが、全てではありません。

基本的には、住宅会社にとっては、「家」が「商品」であり、外構は付帯する工事に過ぎないとお客様自身が認識されるべきと思います。

外構工事・エクステリア工事とは

そのため、外構について住宅会社の方に意見を求められても、実際の費用と大きくかけ離れてしまうことが発生します。つまり、住宅会社の取組や方針、営業マン経験などによって、外構の知識や予算の予見は、かなりの程度差が出てきます。また、ベテランと呼ばれる担当者の方でも、正確に外構費用を予見することは出来ないと思います。

④外構工事が計算できない理由

家は、土地の上に「基礎」とよばれる住宅基礎を作り、組み上げます。土地がどのような形状であっても、この基礎さえ作れば、大きな予算の誤差はありません。一方、外構は、元の地形や周囲の環境に大きく影響を受けます。ここでは、実際の事例を見て具体的にご紹介します。

高基礎の家の事例①

外構工事・エクステリア工事とは

図面

これは、ある新築住宅の図面の一部です。この家は、いわゆる高基礎の家です。この図面には表記されていませんが、「設計GL=BM+1730」と別記されています。

設計GLとは、家の設計時に使われるグランドレベル(GL)の高さです。「BM」とはベンチマーク=基準点の略です。通常、家前の道路のマンホールの高さや縁石などを利用し、基準点にします。(建築時に動かないモノ)

つまり、この別記は、以下に翻訳できます。「この家は、前面道路の基準点より1メートル73センチ上の土地を基準に設計されている」。その土地の上に、家の基礎があり、さらに、家が建ちます。

よって、この図面では、玄関ポーチの高さまでを1メートル99センチで見ています。約2メートル。

この工事では、住宅基礎制作時に、階段下地も作ってますので、「外構費用」として追加されてはいません。しかし、作られていない場合は、外構工事費として加算されることになります。

そして、通常、この下地の上に、石やタイルを貼ることになります。ただ、この高さになりますと、「危険」が生じますので「手摺」も必要となります。また、前面道路には20センチ程度の側溝があり、溝蓋であるグレイチングも必要と分かります。

また、図面に戻って頂くと、玄関を開けると、お隣の方を向くことになります。やはり、お互いのために遮蔽フェンスの必要が出てきます。

外構工事・エクステリア工事とは

工事前の画像

外構工事・エクステリア工事とは

工事後の画像

石を貼り、色のついた上塗り材で蹴上げ仕上げ、擁壁にブロックを積み増し、イタリア漆喰で仕上げて門柱に利用しています。

簡単に整理しますと、この工事では以下の内容が必要となってきます。

外構工事

・階段工事
・門柱工事
・手摺工事
・グレイチング
・玄関前遮蔽フェンス工事

BMと設計GLがほぼ同じ高さでは、なんら問題もない玄関アプローチ制作が、このような手間と費用がかさむものとなります。こうした高台の土地は、道路と高低差のない土地に比べ、やや安価になる傾向があります。その点では、土地購入時にはメリットがありますが、外構工事の視点で見れば、費用がアップする要因になることを留意下さい。

このように、住宅は基礎が出来れば、費用に大きな変動は無く作れ、最終的な価格を表示できますが、外構は、地形や環境により大きく変動するため、坪単価のような「標準化」した価格が提示できないのです。外構は、ひとつひとつ完全にオリジナルに設計しなければ、費用を明確にできないのです。

施工事例を読む

高基礎の家の事例②

外構工事・エクステリア工事とは

図面

家を建てられる前の空き地です。

敷地は、道路から1メートルほど隆起したカタチで成形されています。写真奥はフラットになっていますが、道路側、手前隣家側は斜面で処理されています。外構(エクステリア)計画を行う計画者として見ていきますと、6つの課題が浮かび上がります。

6つの課題

①駐車場を制作する場合、大量の土を削堀しなければならない。
②駐車場の周囲には、土留めが必要
③手前、隣家との斜面を消し、フラットにする場合、土留め工事が必要
④玄関アプローチは最低5~6段の階段が必要
⑤斜面部を残す場合、土が流れないような角度(30度以下)にし、芝生などを施工する必要
⑥防草対策のために、表土を削り、客土が必要

⑥は見落とされがちな視点です。
住宅用敷地として長年放置された状態だったため、綺麗に除草されていますが、表面は雑草が蔓延っている様子が伺えます。このような状態では、例えば、芝生を植えたとしても、数年後には雑草に覆われることが予想されます。そのため、表土を削り、客土(新しい土を運び入れる)することが望まれます。

この工事を、家が建つ前に行うか?建設後に行うか?ということが大切になります現在の状態ですと、重機を入れ、削ることは容易ですが、家が建設された後になると、人力で行うことになります。通常、外構(エクステリア)工事は、最後に行われるため、大きなコストアップの要因になるのです。

高基礎の家の事例③

外構工事・エクステリア工事とは

工事前

この一枚の写真は、家の裏口です。ご覧になられた方は、もしこのような状態でご自宅が引き渡されたら?とお考えになると一瞬「???」と頭の中に閃くのではないでしょうか?

最終的に、「建築会社」と「お客様」の契約は、「引渡し」という段階で初めて、建築された家はお客様のものになります。(建設中は、ご自宅の家は建築会社のモノです)。その場合、家の玄関に辿り着けないような建築物は当然「引渡し」できませんのでご安心下さい。

外構工事・エクステリア工事とは

工事後

施工後の写真です。

この場合、家の建築とは別に「外構工事の課題」として取り組んだものです。高低差を活かし、階段と同時にバイク置き場として設計・施工させて頂きました。

ただ、これも家の建築費と別に、外構工事費として予算化する必要があります。

施工事例を読む

周囲の土地環境に左右される場合

外構工事は、建設される土地の周囲の状況によって、大きく変動します。これも、住宅建築と大きく異なる点です。土地を購入されるお客様は、日照条件や前面道路幅・通風・交通量の他にも、「外構の視点」で現地や図面をチェックする必要が実はあります。

それでは「外構の視点」から具体的に見ていきます。

外構工事・エクステリア工事とは

この設計図面の断片は、ある宅地の隣地境界線の一部です。よく見てましょう。隣地境界線の外側に「CB」という言葉や四角い枡が並んでいます。この四角い枡は、隣家が作られているブロックを表しています。つまり、隣地境界線を示す「仕切」があるということです。

外構工事・エクステリア工事とは

実際の写真では、お隣の自動車が見えており、宅地には土と草が見えます。このことが、外構費用を大きく変動させます。もし、この場所に建築後、防草を兼ねてバラスを敷くとします。仕切がない場合、仕切を作らねばなりませんが、上記の場合、土を漉き取り、バラスを敷けば工事が終わります。手間が大きく変化するのです。当然、既存で積んであるブロックはお隣の所有物ですので、ご自分ではデザインや色を替えることはできません。こうした隣地境界線の仕切は、様々なカタチで存在します。

既存ブロックなどの境界線がある場合

大きく三つに分類できますので、ご自宅の図面と照らし合わせてください。

①隣地境界線よりブロック等が自宅側にある場合
→そのブロックはご自分の所有物です。撤去や補修が出来ます。また、既存物といえ、その責任もお客様に属します。

②隣地境界線よりブロック等がお隣にある場合
→そのブロックはお隣の所有物です。撤去や補修は出来ません。

③隣地境界線上にブロックがある場合
→そのブロックはお隣との共有物です。補修や撤去はお隣との話し合いが必要です。

古い宅地の場合、これら①〜③が混在している場合もあります。一辺の隣地境界線にあるブロックでも③で始まり①に変わる場合もありますので、目を凝らして見て、現地で確認しておく必要があります。自宅側にある場合、「撤去し新設する」or「既存のものを再利用する」では大きく費用が変動します。再利用可能性や高さの追加が可能かどうかは、必ず専門家に相談してください。

境界線が無い場合

なんらかの境界線を作る必要があります。新規分譲の住宅地では、左側側面は自己負担。右側側面は隣家負担などルールが存在する場合があります。

このように、ご自分の敷地だけでなく、敷地が隣接する環境が外構費用を大きく変動させることを憶えておいて下さい。

④外構費用で家づくりを失敗しないようにする方法

住宅ローンを組んだ後に、別途費用である外構費がかさむと、折角のマイホーム計画も後味が悪いものになってしまいます。また、住宅ローン以外で発生する費用は、基本「現金支払い」になりますから、予算を捻出するのも一苦労となります。引っ越しや家具、電化製品の購入など、新築の家は、物入りです。そこで、今まで様々な工事を通じて、お客様が外構工事で失敗しないための対策を示しておきたいと思います。

土地購入、住宅建築と同時に外構費用もしっかり見積り、住宅ローン内に入れる

新築時は、どうしても住宅プランや建築に没頭しがちです。しかし、「家」+「庭」で「家庭」という言葉が成立しているように、家だけでは、生活できません。住宅ローン計画時に、外構費用もしっかり見積り、専門家にご相談され、ローン計画にいれることをお勧めします。

土地をよく見る

事例を見て頂いたように、土地の形状、周囲の状況によって外構費は大きく影響します。土地は、立地や広さ、坪単価などばかりに目が行きがちですが、外構の費用を見くびらず冷静にご判断ください。土地購入の検討時点で、住宅会社のみならず、外構会社の専門家に相談されることもお奨めです。当然、住宅会社と違った視点でアドバイスをもらえると思います。

住宅会社、外構会社を選択し、両者を交えて「住宅計画」を作る

外構工事は、新築工事の最後の工事ですから、どうしても後回しになりがちです。しかし、両者は設備面や庭のインフラ面で協力できることも多く、お客様と三者で全体の計画を進めていくことは、コストカットする面でも大きな効果があります。家と外構を別建てにせず、住宅計画を進めることが、大きな誤差のない予算を実現します。

敢えて外構をあまりしない

新築の家で暮らしを開始するには、郵便のポスト、インターフォン、駐車場、アプローチの4つが必ず必要です。一方、これらの4つ以外は、暮らしながら、何が本当に必要か見極め、順次作ることもできます。庭や外構は、未完成でも暮らせるワケです。新築時にすべてを完成させることが本当にベストなのでしょうか。マンションでお暮しの方が、郊外の一戸建てに引っ越しされた場合、ライフスタイルも休日の過ごし方も変わります。今現在の家族の姿も変わっていきます。

そこで、暮らして3年後をめどに、ゆっくり外構や庭を作られる方も結構いらっしゃることを最後にお伝えしたいと思います。フィトライフでは、そのようなケースにもご対応させていただいておりますので、ご相談いただければと思います。

投稿日:2017/03/14

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